私はあまりこの名前が好きではありませんでした。
すごくありふれた名前で、クラスに必ず1人は同じ名前の人がいたから。
先生が皆のことを下の名前だけで呼ぶのに、私はいつもフルネームだったりするのが凄く嫌で悲しくなったりしました。
“人から愛されるのも大事だけど、人を愛する子に育ってね”
名前の由来を聞いたとき、私は幼すぎて意味がよくわかっていませんでした。
だから親達を泣かすようなことを沢山してしまいました。
愛情が足りないと自分の腕を切り、食べることも眠ることも拒絶したのです。
祖父の涙を見たときに私は後悔しました。
酷いことを言ってしまった。してしまった。
自分を愛していないのに、人から愛されることなんてない。
そのことに私はようやく気付いたのです。
今では自分の名前がとても大切です。
名づけてくれたおじいちゃん、ありがとう。
これからはちゃんと前を向いて歩いていけるよ。
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