「誰にでも愛される子に育ってほしい」
そう言って、父が私に付けた名前。
今どき、「子」なんて付いてる子はいない。
「子」なんて古臭くて、嫌いだった。
「なんで、「子」付けたの?」と何回も聞いた。
でも、納得がいかなかなかった。
小学校ではいじめられてたし、「私、皆から愛されてないじゃん。」ってずっと思ってた。
中学生になってから、もう一度名前の事を聞いてみた。
そしたら、前と違う答えがかえってきた。
「お父さんは、お前に幸せになってほしくて、「愛子」って名前を付けた。
だから、お父さんは胸はって言える。お前は皆から愛されているって」
少し、名前を好きになった気がした。
そして、名前を嫌いっていつも思っていた事を、悔やんだ。
―私、今お父さんからの愛情を感じたよ
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