名前の由来を聞くまで自分の名前が嫌いだった。
「寛子」って古臭いから。
でも父から由来を聞いたとき、小さいながらもすごく嬉しくて。
父さんががこんなに考えていたとは全然考えもしなかった。
たくさんの辞書や占い本を引いてじいちゃんやばあちゃんにも相談してすごく時間がかかったと聞いた。
桜の咲く季節になるといつも父さんは
「ひろちゃんの名前の候補はさくらだったんよ」
と毎年言い,なんでさくらにせんかったん?と聞くと
「流行っとったけぇ沢山さくらって名前の子がいたんよ」
と言う。父さんらしくていつも笑ってしまう。
そんな性格な父さんがつけてくれた名前,
「寛子」
心が広く寛大な子になりますよう・・・
私は一人っ子だ。
父さんの名前をもらったたった一人の子。
父さんに負けないくらい広い心をもって、
父さんみたいな男の人と結婚したい。
父さんみたいに自分の子供にたくさんのことを教えてあげたい。
大切な人からつけてもらった名前を死ぬまで一生大切にしていきたい。
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