「香里って名前負けやんなぁ?」
そんなことを友達に言われた。
「だって女の子らしーないやん?」
男の子のなかにひとり女の子でまじって遊んでいた小学生時代。
男の子に憧れた中学生時代。
男の子みたいになった高校時代。
「私もっとな、翔とかかっこいい名前がよかってんけど。名前負けやとか言われるし。」
そうお母さんに言うと
「香里は十分、香里っぽいと思うけどな。あなたの名前は「故郷の香」のように
優しくあたたかかくまわりをつつんでくれるようにってつけたの。
お母さんは、その願いどおりのことをあなたから感じてるよ。」
「ウソやぁー!」
なんて言ったけど、すっごくすっごく嬉しかったんだ。
男の子っぽい名前に憧れてた。
でも、それはもう過去のこと。
今は、この名前がどんな名前よりも好き。
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